今月の「鴻巣友季子の文学潮流」は英語圏で起きている日本語文学ブームを展望します。村田沙耶香さんの『消滅世界』(Vanishing World)、柚木麻子さんの『バター』(BUTTER)などが注目され、若い世代の読者に支持されています。
明治40年、東大教授を蹴って朝日新聞に入社した漱石は、「文展と芸術」「生きた絵と死んだ絵」など折にふれ芸術に関する記事を紙面に綴り、自由で忖度のない持論を堂々と展開した。同時代の美術に文豪は何を見たのか? 『夏目漱石 美術を見る眼』(ホンダ・アキノ著 ...
人気の本の著者が、全国各地の学校を訪ねて特別授業をする、朝日新聞社主催の読書推進事業「オーサー・ビジット」。小説家の藤岡陽子さんが今回訪ねたのは、兵庫県神戸市の神戸龍谷高校。スポーツ紙記者から、看護師、そして作家へ。波瀾万丈な半生を ...
欧州議会選など、欧州では移民や難民の受け入れに否定的な極右政党の伸長が目立った。ただ、古賀光生はそれが世論の排外主義が高まった結果であるという因果関係に慎重な見方をしている(世界10月号)。移民問題など一国での解決が難しく既成政党が争点化しづらい課題 ...
正義を巡る悲喜劇は、絶えず世界中で繰り広げられている。それは会社という身近な組織の中でも。石田夏穂さんの新刊「ミスター・チームリーダー」(新潮社)は、ボディービル一筋の中間管理職の悲喜こもごもな日常をシニカルに描き、人間の業をあぶり出す。
作家大佛(おさらぎ)次郎(1897~1973)の代表作の一つ、時代小説「鞍馬天狗(てんぐ)」の誕生から100年を迎えたのに合わせた企画展が、横浜市中区の大佛次郎記念館で開かれている。
人気の本の著者が、全国各地の学校を訪ねて特別授業をする、朝日新聞社主催の読書推進事業「オーサー・ビジット」。小説家の今村翔吾さんが今年度訪ねたのは、岡山県赤磐市立笹岡小学校。「桃太郎」のお話を改造するゲームを楽しみながら、物語を作る ...
二足歩行すらぎこちない──体を思いどおりに使えない世界とはどんなものか。極端な不器用や運動音痴は努力不足と見なされがちだが、それが「発達性協調運動症(DCD)」の症状であれば、日常のすべてが壁となる。『〈逆上がり〉ができない人々── ...
たとえば国内有数の観光地である京都市は、2020年と21年の人口純減数が全国の自治体で最大だったことを紹介。人口減少は数ではなく率でみるべしという議論はあるものの、市区町村別合計特殊出生率などのデータも引きつつ、高級ホテル進出ラッシュで地価が高騰し、 ...
安部若菜さん2作目の小説は、2年前のデビュー作『アイドル失格』に次ぐ、芸能界を舞台にしたストーリー。今度は夢の舞台をめざす高校生男女5人の人間模様を描いています。青春まっ盛りの同世代に、どんなメッセージを込めたのでしょうか。
中川智正はなぜオウム真理教事件に関わっていったのか。中学時代の同級生である著者が600回を超える面談記録と裁判記録から明らかにした真実とは、突如襲ってきた解離性障害に抗う術もなく、麻原と同一化しあやつられていく中川氏の姿だった。『オ ...
同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬、ハヤカワ文庫JA) ペッパーズ・ゴースト(伊坂幸太郎、朝日文庫) 青い壺(新装版)(有吉佐和子、文春文庫) マイブック - 2025年の記録(大貫卓也、新潮文庫) 初心の業 - ボーダーズ ...